2011年3月11日に起きた大地震と津波によって日本は東北地方を始め大きなダメージを受けた。
死者・行方不明者は1万5000人を超え、現在も尚、避難所で厳しい生活を強いられている人も多い。
そんな中、人々に勇気を与えるプロスポーツ「Jリーグ」、「Vリーグ」、「フィギュアスケート」などが開催中止・延期を表明した。これについて、賛否両論が渦巻いている。
特にプロ野球の開幕にいたっては東京ドームを使用する巨人戦への風当たりが強く、世論の9割以上が「開催を延期すべき」としている。(出典:Yahoo!ニュース)
モータースポーツはどうだろう。今季国内では4月2日、岡山においてSUPER GTが開幕する。出走台数は約40台、決勝では300kmを走破する。練習や予選での走行を合わせると400km近くを走るマシンが大半である。燃費をリッター当たり4km弱とすると1台当たり100リットルを消費する。40台で約4000リットル。
これだけではない。 マシンを輸送するトランスポーターやレースを観戦するファンがサーキットへ向かうために消費するガソリンを考えると数万リットルという単位になるに違いない。「これだけのガソリンを消費するなら被災地に廻せ」という声も挙がりそうだが、政府は3月17日、西日本と北日本から東北地方へ一日の消費量3.8万キロリットルを海上輸送することを発表した。(出典:日本経済新聞)
「現在約80%にとどまっている西日本の製油所の稼働率を95%以上に引き上げる」ことを要請したとのことで「供給が難しい状況の中、レースを無理に開催する」という訳ではないことを、開催に反対する人達にも理解して欲しい。
昨年、レース終了後の記者会見で「どうしたらレーサーになれますか?」と優勝したドライバーに小学生が聞いたシーンがあった。その瞳は純粋に輝いていた。
今も避難所に身を寄せる被災者の方々が「クルマのレースを見て勇気付けられる」といった状況ではないことは分かっている。そして「復興・前進していくためにはある程度の痛みが必要」といったチープな口説き文句で4月上旬のレース開催を肯定化出来るとも思っていない。
それでもGTのファンは岡山国際サーキットに集い、シグナルはグリーンになる。
震災が起きて間もない中、レースが行われることの意義。その功罪。ファンは各々、このことについて考えながら週末を過ごすことだろう。
現地ではチャリティイベントが行われ、スタート前には黙祷が行われる。
そこには被災者を思い遣る暖かい心が集まり、被災地へその想いが-
モータースポーツには独特のエンターテイメント性だけでなく、文化がある。
このスポーツが復興の一助になることを一関係者として信じたい。
2001.3.18
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